治療症例
症例⑪ 60代女性・
インプラントと補綴処置のみでの噛み合わせの回復
1) 治療前
しっかりと奥歯で噛みたいとのことで来院されました。
義歯の違和感から長年、義歯は使用していなかったとの事です。
義歯を使用していなかった為に、上の奥歯は挺出(伸びてきて)しており、
下の奥歯のスペースが大幅に不足しています。
2) 初診時レントゲン
神経のない歯が何本かありますが、全体的に骨はしっかりしています。
3) 初診時歯周検査
全体的に軽度の歯周病の状態で、深いポケットは存在しません。
4) Digital Waxup
最終的な補綴物の形態をデジタル上で設計していきます。
この患者様は、今のポジションを維持したまま補綴にて咬合を回復させる計画としました。伸びてしまった上の奥歯を圧下(下に押し込む)させるプランも検討しましたが、治療期間の延長と、複数回の歯茎の外科処置が必要になることから、患者様とよく相談した結果、今回はインプラントに置き換えて修復するプランとなりました。
5) SMOP
SMOPガイドと言われるインプラントガイドシステムです。
最終的な予測模型と実際のCTデータと実際の口の中のスキャンデータを重ね合わせて、
インプラントに位置を正確にポジショニングしていきます。
6) SMOP
このSMOPガイドを使用する事により、より正確で安全なインプラント手術が可能となります。
7) Provisional Waxup
仮の歯を制作していく為に、ワックスにて形態を製作し確認していきます。
8) Provisional
仮歯の完成です。
こちらを口腔内にセットしていきます。
仮歯をセットし、噛み合わせや前歯の見え方など問題がないかチェックします。
9) Final
最終的な補綴物が完成しました。
しっかりと設計通りのポジションにインプラントが配置されています。
10) Final
最終補綴物は全てジルコニアセラミックスを用いて製作しています。
強度と審美性、耐久性を兼ね備えた素材になります。
11) Final
最終補綴物が口腔内にセットされました。元の歯を最大限に生かした設計で、長期的にも予知性の高い噛み合わせを構築することができました。
12) 治療後のレントゲン
上下のインプラントと補綴物もしっかりと適合し、
バランスの良い状態となりました。
13) 初診時と治療終了後の比較
伸びてしまった上の奥歯を圧下(下に押し込む)させるプランも検討しましたが、治療期間の延長と、複数回の歯茎の外科処置が必要になることから、今回はインプラントに置き換えて修復するプランとなりました。
14) 治療前後のスマイルの比較
健康的で若々しいスマイルとなりました。患者様も大変満足され、
今後のメインテナンスも頑張っていかれるとの事でした。
15)初診時と治療終了後の比較
全体的にバランスが取れ、しっかりと奥歯で噛むことができ、審美的にも改善されました。
今後、しっかりとメインテナンスを継続していく必要があります。
主訴 | しっかりと噛めるように治療して欲しいとの事で 来院されました。 |
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治療期間 | 約2年 |
治療費 | 総額550万円(税別) |
治療内容 | 患者様とご相談の上、 過度に挺出していた上顎臼歯部は保存不可能と判断し抜歯とし綿密な計画を立て補綴主導でインプラントを用いて治療を行いました。 |
治療中の注意点
● リスク
治療中に一旦全ての歯を仮歯に置き換えるため、強い咬合力によって仮歯の脱離や破損の可能性がある。
● 副作用
人工物(被せ物)の脱離、破折の可能性
治療後の注意点
● リスク
多くの歯が人工物となる事によって、被せ物の破折や脱離の可能性がある。また、インプラントを複数本使用し、多くの歯が人工物に置き換わるため、強い噛む力に対するケアと歯周病に対する定期的メインテナンスが必須である。
● 副作用
人工物(被せ物)の脱離、破折の可能性、インプラント周囲炎の可能性